【俺はトレーニングが大嫌いだった】

I hated every minute of training, but I said,
‘Don’t quit. Suffer now and live the rest of your life as a champion’

俺はトレーニングが大嫌いだった。でも、自分にこう言い聞かせたんだ。
「絶対にやめるな。今は耐えろ。そして残りの人生をチャンピオンとして生きろ」

Muhammad Ali
モハメド・アリ

————————————————————————–

<ちょっとだけ英文解説>

・I hate ~
“hate” はヘイトスピーチという言葉からも分かるように「憎む」の意味です。
親の仇のように積年の恨みを表す場合もありますが、一方で、 “I hate onion.” =「 玉ねぎ、嫌~い。」 I hate my mom.= 「私、お母さん大嫌い。」といったぐあいに、憎むとまではいかなくてもかなり嫌い度が高い場合にも使います。

まぁ、あまりプラスイメージな言葉ではありませんので頻繁に使うことはお勧めしません。
I don’t like と違って趣味趣向を超えた感情的、時には社会的な意味を帯びて受け取られる心配がありますので。

・every minute of training
直訳すると「トレーニングの一分、一分が」です。もう、どれだかトレーニングが嫌いだったか、ただとレーニングが嫌いというより、その一分、一分嫌だった!と協調しています。

Stingの超有名な名曲 Every breath you take のevery もこれと同じ。
“Every breath you take Every move you make Every bond you break Every step you take I’ll be watching you.” = 君の呼吸のすべて、一つ一つのしぐさや、すべての断ち切る絆、あらゆる歩みを僕はずっと見ているから。

隅から隅まで、あらゆる瞬間を全部見てるよ、というこの曲。かなり every を繰り返して、それを I’ll be watching you. と言っているあたり、ロマンチックを通り越して凄い執着がでています。

————————————————————————–

「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と言われるボクシングスタイルで有名なモハメド・アリの言葉です。
まさに彼の精神力の強さを表す言葉です。

私たちの日常でも、「今はがんばれ。結果を手にしたあかつきには素晴らしい達成感が待っている。」と自分に言い聞かせる場面は少なからずあると思います。日々のルーティンしかり、オーバーワークが続く日々であったり。または着手すらできていない焦りであったり。

それでも、なかなか実行できないのは自分の精神力が弱いからだともやもやと自分を責めたり。で、自分をせめながらも体はというYoutubeを眺めていたり、スマホをいじっていたりするだけだったりするわけです(まぁ、私の場合はこんな感じです)。

モハメド・アリの精神力は確かに強かった。しかし、精神力だけで己をコントロールし、成功を収められる人間は稀だろうと私は思うのです。

私たちは所詮、やりたいと感じることにしか集中できないし、だから本当にやりたいと思うことでしか成功できないとよく言われます。
やりたくないと感情であえぎながら、トレーニングの苦痛を肉体に強いることを精神の強さでコントロールするのは至難の業であります。

逆に自分がやりたくてたまらないことには、人間、どんな努力も時間もいとやすやすと費やしてしまうことができます。

パソコンのアプリケーションを使いこなすスキルも、釣りの技術を習得するのも同じトレーニングには違いないのですが、好きな釣りなら毎日、何時間でも集中できる。好きこそものの上手なれ、というやつです。

結局のところ、アリにはボクシングがあって、それがかけがえのない夢で転職だったんだろうなぁ、と思うわけです。

「でっかい仕事残すやつらって、みんなそんなんやねんで。小学生気分でワクワクしながらする作業をそのまま仕事にしてまいよる。だからずっと集中できるし、楽しいし、それってハタから見たら、えらい頑張ってるように見えるかも分からんけど、全然ちゃうねん。まあ確かに大変なこともあるやろうけど、基本的には楽しくやってるだけやねん。」
~ 夢をかなえるゾウ より

このモハメド・アリの格言の裏にはもう一つ、「それこそが、俺が唯一欲することなんだ。」という意味があったのでしょう。

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です