You will be only be loved and respected if you love and respect yourself.
Never try to please everyone; If you do, you will be respected by no one.
Manuscript Found in Accra ~ by Paulo Coelho
自分自身を愛し、尊重することができたとき、初めて周囲からも愛され尊重される。誰からも愛されたいという目的で人をを喜ばせようとするな。そうすれば逆に、誰からも尊敬されなくなってしまうだろう。
「アクラ」より~パウロ・コエーリョ
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<ちょっとだけ英文解説>
・You will be only be loved and respected if ~
only がないものとして読んでみると You will be loved and respected if ~ = あなたがもしも~したら、愛され尊敬されるだろう となります。
ここもonly が挟み込まれて、もし~したときだけ、愛され尊敬されるだろう、という意味になります。
・Never try to please everyone; If you do,~
またクセモノの ; (セミコロン)の登場です。コロンやセミコロンは単に文章を一旦区切るためのコンマとはちょっと違い、記号の前と後の文章の関係を説明する記号です。
皆さんもメモを取るときなどに、よく矢印を書いて「理由」「内容の内訳」「結果」などの意味に使いませんか。
それに近い記号だと思っていただければ分かりやすいと思います。
意味には色々とありますが、この場合は「なぜかというとね、結果がこうなるから。」という因果関係を表しています。
コロンとセミコロンは、記号だけに伝わり方も様々で、実際、ネイティブスピーカーにとっても正確に使いこなすことは難しいようです。
あなたの周りにもおそらくいるのではないでしょうか。「あの人は尊敬できるよね。」と、周囲の敬愛を集め、部下や同僚から好かれる、性格が良くて頼れる人物が。
単に仕事ができるからというだけではなく、まして飲み会の席で金払いがよいなどという理由ではなくて、その人格が周囲の尊敬と信頼を集め、好かれる人物。
そういう人物に、誰しもなりたいと願望するわけですが、それではそうなるにはどうすればよいかと考えあぐねて、自分なりに行動パターンを変えてみたところでなかなか目指したように行動できていなかったり、悪くすれば「わざとらしい」「おためごかし」「偽善者」っぽい振る舞いになってしまったりと、却って周囲の顰蹙を買う危険も。いわゆる姑息な手段に終わってしまうわけです。
パウロ・コエーリョは、「愛と尊敬を勝ち取るために、周りを喜ばせようとするのでは却ってダメ。」と言います。
この格言では、「自分を愛し、尊敬することがまず重要。周囲の愛と尊敬は結果として(ご褒美のように)ついてくる。」という解釈が成り立つのではないでしょうか。
ところが、その「自分を愛し尊敬する」というのはなかなか難しいとは思いませんか。
自分を愛するとは?自分を尊敬するとは?そもそも自分自身とは?
周囲から愛し尊敬されるためにはどうすれば良いかと考える自分がいます。一方でそんな自信は無いと感じている自分もいます。そう考えつつも、もしかしたらあなたの体はTVを見ているだけかもしれません。
この内のどれが自分かとと…もちろんどれもが自分ですが、本当の自分はそのもっと奥、自我というところにあります。
自我という言葉はよく英語のエゴ(ego)と訳され、エゴイズム、エゴイストなどという印象のよくない派生語があったりするせいで、あまり良いもののように思われない傾向があって気の毒なのですが、一部の書籍などでは自我をセルフ(self)と呼んでいるものもあります。どちらかというとこの方が身近で受け入れやすいかもしれませ。
このセルフは感情や意思と違って、普段近くされにくいものではありますが、実は愛し尊敬される人でありたいと願っているのはこの自分自身、内面の深いところにあるセルフなのです。
思考、感情、体はこのセルフ、つまり内面のあなた自身が行動するときに必要なパートナーたちなのです。
セルフについてはW.T.ガルウェイ著「インナー・ゲーム」などに詳しく書かれておりますのでご興味のある方はお読みになることをお勧めします。スポーツ選手、とりわけテニス・プレイヤーとそのトレーナーの多くに長年、支持されている名著です。
この著書にいわく、セルフが自分のパートナー(思考、感情、体)を低く評価するほど、パートナーは委縮しパフォーマンスは低下するのだそうです。
逆にセルフがパートナーを信頼する、良いパートナシップが築けているとき、心身はリラックスし、高い集中力とパフォーマンスが実現する、と。
自分を愛する、とは、このセルフが自分の思考、感情、体を尊重し、その声に耳を傾けて受け入れることではないかと私は思うのです。
自分の考え方、心の声、感情の抑揚に蓋をして押さえつけなければならないことの多い現代社会。自分の人生を愛し慈しむために、これら自分のパートナーの声をないがしろにせず、大切に耳を傾けて、感謝してあげることが大切ではないかと。
彼らを大事な部下、かけがえのないパートナーとして尊重し、高く評価してあげるとき、彼らはあなたのためにきっと最高のパフォーマンス上げてくれると思います。
周囲から尊敬を集めている人々が、どこか思考や感情にゆとりがあるように見えるのは、彼らが自らの思考、感情、体といったパートナーを受け入れて愛し、よりよいパートナシップを築けているからに違いありませ。
優れたプレイヤーと信頼できるトレーナーのように。
そう、あなたにとって、あなたの思考、感情、体は貴重なプレイヤーなのです。ぜひ、労わりと称賛を。
パウロ・コエーリョの言葉はいつも一貫して己を信じることの大切さを語っています。を信じるということをセルフに置き換えるならば、セルフが望む人生を実現するため、そのために活動してくれる自分の思考や直感、感情、肉体のパフォーマンスを信じることでしょう。
どうでしょう。自分の愛し方、尊重の仕方のヒントになったでしょうか。周囲からの愛と尊敬はきっと結果として得られるに違いありません。